「好き」の気持ちを大切にしてほしい

ずっと前から黄色が大好きな息子。
なにかと黄色を選ぶので、持っている服は黄色が多め。

なのでたまに全身が黄色コーデになる日もある。

そんななか、買い物先で
「いいのみつけた、これぜんぶきいろやでー」
と言ってこれを手にとるので、もう笑ってしまった!

ほんと、ぜんぶ黄色の風船。

でも、ぜんぶ黄色なのは君をふくめてですよ。笑

ぼくは、息子が「〇〇がすきなの」と教えてくれると嬉しい。

好きな色の他にも、好きな食べ物、好きな遊び、好きなひとやアニメ。
好きなものについて話している息子はいきいきしているから、ぼくまで幸せな気持ちになる。

パズルをする子
新しい水着が嬉しくて、水着姿でくつろいでいるところ。

息子の帽子を探しに、帽子屋さんに行ったある日のこと。

ベージュのとんがり麦わら帽を見つけて、
ぼくも妻も「この帽子めちゃ素敵!これいいやん!」となった。

その帽子を手にとって「これめっちゃよくない?」と、
二人がかりで熱いプレゼンを息子に試みた。

息子はそれをはっきり且つあっさりと断り、
微塵のブレもなく「あれにする」と指差した。

ぼくたちはその方向を見上げた。

数々の帽子たちが重なり合いながら陳列されている帽子屋で、
離れた場所から指を差したくらいで、どれのことかちゃんと伝わるのだろうか。

どの帽子を差しているのかがすぐにわかったのは、
それが明らかに〝飾られていた〟からだ。

やわらかなスポットライトを浴び、一番高い位置に鎮座した帽子。
眩しいほどに黄色かった。

どう見ても価格の立派な帽子が置かれるはずのポジションだ。
しかし、その割になんだかかわいい黄色の帽子。

あくまでもぼくのイメージなのだけれど、
高級品の中には、高級に見えない素朴な見た目のやつがある。

なんの変哲もない無地のTシャツとか、
一周まわってしまっているやつがある。

だから、店員さんに「あれ見せてください」というのは少し緊張した。

高級な帽子を、長い棒にひょいっと引っ掛けて、おろしてくれた。

値札を見ると、思っていた額の半分の半分くらいだった。

「君はなんでそのポジションに置かれてたの」と、
心でつぶやきながら息子にかぶせてみる。

子ども黄色い帽子を試着

試着するひとって普通は、鏡を見ながら品定めをする。
これ似合うかな、買おうかな、どうかなといった具合に。

ただ、息子の場合はもうすでに自分のものです感があった。

家からかぶってきたやつです感というか。

自宅の玄関で、出発前に身なりをチェックしてます感というか。笑



ひとは好きなものを身につけている姿がやっぱり一番素敵だ。
息子がかぶっている姿を見て、本当によく似合っているなと思った。


ぼくは息子に「好き」の気持ちを大切にできるひとになってほしい。
そして、自分の「好き」の感覚を信じて、胸を張れるひとになってほしい。

息子が自分の人生を明るいものにするためには、そのことが一番大切だと考えている。
だから、息子が選ぶもの、選んだ気持ちを尊重したい。

息子が、自分が好きと思う感覚に自信を持てるように。

それでも、ぼくたち親にも好みはあって、
服にしてもこれを息子に着てほしいなって思うことはある。
親と息子は違う人間なのだから、
当然いつもしっくり気持ちが一致するわけではない。

だけど、息子のものを選ぶときは、
本人の気持ちをできるだけ尊重している。

そしてもしも今後、息子の好みに内心「えっ」と思うような場面があったら、
「いいね」なんてウソをつくつもりもない。
なんでもかんでも肯定していたらいいというわけでもない。

ただ、決めているのは「絶対に否定しない」ということだ。

たかが買い物くらいで、大げさだなって思われるかもしれない。

大げさかもしれないけれど、それでも大切にしていたいことだ。

人生には、好きなものを通じて生まれる出会いがある。
好きなことを通じて、仲間と楽しい時間を共有できる。

好きな音楽を通じて、ぼくがたくさんの出会いに恵まれ、
仲間と共にたくさんの経験をしてきたように。

息子も自分の「好き」を大切に、堂々と歩んでいってほしい。

黄色い服の子


あまりに鮮やかな黄色だし、なんか合わせる服装を選びそうな帽子だな。
最初はそんな風に思っていました。
でも、本当によく似合っていて買ってよかったなって思っています。


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