「子どもの成長はあっという間だよ」
息子の成長を実感するたびに、この言葉が頭に浮かぶ。
息子が生まれる前、まわりの先輩パパママたちから聞いていた言葉だ。
いまぼくは「本当だなぁ‥」と実感すると同時に「あぁ、そういう意味だったのか」とも思う。
以前のぼくといまのぼくで、この言葉の捉え方に変化があったのだ。
以前のぼくというのは、息子が生まれる前のぼくだ。
たまに会う甥や姪、また友人の子の成長を早いと感じるのは、数ヶ月前に会ったときの印象と比較するからだ。
子どもに限らず、大人でも久しぶりに会うと、そんな具合に違いを感じたりする。
ただ、毎日会う人となると、そういった変化には気づきにくい。
何年も前のことだけれど、テレビのクイズ番組で「アハ体験」というものがあった。
一枚の写真の中で、ゆっくり少しずつ変化していく部分があり、それが何かを当てるゲームだ。
ある一部分がまったく違う色に変化したり、あるものが消えてしまったり。
瞬時に変化すると確実に分かるものが、じわじわ変化することでクイズとして成立するほどに分からない。
毎日会う人の変化が気づきにくいのは、そんなアハ体験みたいな理由なのだろう。
久しぶりに会う人の変化に気づくのは、久しぶりに会うことでじわじわ変化する過程を見ないからだ。
だから以前のぼくは、毎日会う我が子の成長というのは実感しにくいものなのだろうと想像していた。
でも実際は違った。
もうすぐ3歳になる息子と過ごす中で、毎日なにかしらの成長を感じている。
子どもの成長があっという間だということを、時々ではなく毎日実感している。
使う言葉や話す内容。
遊び方や物事に対するこだわり。
新しいことに挑戦する姿や、何かができるようになること。
昨日までしなかった仕草や、ときには体格の違いを感じることもある。
毎日、昨日とは違うなにかがある。
「子どもの成長はあっという間だよ」
もちろん、時々過去の写真を見返しながら、大きくなったなと振り返ったりもする。
でもそれ以上に、この言葉は「毎日成長を実感できるほどあっという間に、どんどん成長していく」という意味だったのだ。
ほんの少しの成長に毎日の変化に気づけるのは、毎日一緒に過ごしているからこそだ。
これは子どもの成長に対してだけじゃない。
大人に対しても昨日との様子の違いに気づけることがある。
精神面だったり、体の具合だったり。
毎日一緒にいるから気がつかないなんてことはなく。
日々のほんの少しの違いに気づけるのは、むしろ毎日一緒に過ごしているからこそだ。
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