こんな日がずっと続けばいいのにな

すさまじく寝起きのいい息子。

いつも起きるとき、目を開いたと同時に立ち上がる。

ビーチフラッグの選手が〝よーいどん!〟でむくっと起きて立ち上がり旗を取りに行くように。
昼寝が終わるときなんか、起きてすぐに寝室を飛び出し、1分後にはおやつを食べていたりする。

目覚めのいい食いしん坊だ。


そういった光景を、これまでにぼくも何度か見てきたけれど、それはほとんど昼寝のときの様子だ。

妻と話していて、朝もいつもそんな具合に起床することを聞いて笑ってしまった。

朝の息子の起床には、いつも妻が付き合ってくれていて、
朝、なかなか起きられないぼくは、二人よりも30分ほど遅く起きている。

寝る時間が遅いこともあり、それを気づかってくれギリギリまでゆっくり寝させてくれる家族に感謝だ。

そして、息子とは違い、ぼくはすさまじく寝起きがわるい。

もし、ビーチフラッグを寝起きで競ったとしたら、本気で戦っても息子には勝てないだろうな。

「パパおきてー!はやくおきてよー!」

「パパずっとねてるわ!いつまでねてるの!」

いつもはゆっくり寝させてくれる息子だけれど、たまに起こしにきてくれることがある。
そのときはだいたいプンスカ怒っている。

この日、朝食に息子が大好きなハムとチーズのホットサンドを作ることになったそう。
一緒に食べたい!と思い、起こしに来てくれたらしい。

「ホットサンドたべるよ!」

なんとも可愛い理由。
それは起きないわけにはいかない!

ただ朝が苦手なぼくは、スッと起きられず‥。

「パパ、はやくおきなさい!」と大きな声が飛び込んでくる。

そんな、たまにやってくる〝怒った息子の声で目覚める朝〟に、いつも思い出し、重なる記憶がある。
自分が小さい頃、父にまったく同じことをしていた場面だ。

休日、早く父に遊んでほしくてプンスカ怒って起こしていた自分。

だから、ぼくを起こす息子の気持ちはよく分かる。
遠い子どもだった日を思い出して懐かしい気持ちになる。

それから、あのときと逆の立場になってはじめて気づいた。

いつも朝早くに起き夜遅くまで仕事をしていた父。

ぼくが父を起こしていたのは、いつも休日だったから、申し訳なかったな。

休日くらいはゆっくり寝たかっただろうな。

朝はいつまでも寝ていたいのだけれど、夜はいつまでも起きていたい。
と誰かが言っていて「いやー!ほんとそう」と熱く共感したことがある。

夜型人間なのかは分からないけれど、いつも深夜に色々な作業をしている。

こうしてブログを書いたり、ベースを弾いたり、絵を描いたり、本を読んだり、YouTubeを見たり、仕事だってする。

深夜は、誰からの連絡もないし、返さなくていいし、苦手なインターフォンも鳴らない。
家族も寝ているから、好きなことに集中できる時間だ。

こういった活動をしていると、何が仕事で何が趣味か分からなくなるし、
やろうと思えばやり続けられる、キリのつかない仕事も多く、何かとやりたい作業がある。
コロナ禍で、ライブが少ないため、よりそういった時間が増えている気がする。

例外はあれど、朝ゆっくり寝かせてくれる、応援してくれる家族の理解が本当にありがたいなと思う。



深夜、さすがに寝なきゃ明日しんどくなるわ‥という時刻になり、いつも諦めるように寝室に向かう。

ベッドに横になると、隣で熟睡する息子の姿がある。
風邪をひかないように、布団をかぶせたり、ときにはベッドから落ちないように移動させたり。

そんなときに毎回驚いていることがある。
暗闇の中、目視できない状態で息子に触れていると、こんなに身長高かったけ?といつも思うのだ。

人は、立ち上がっているときは地球の重力によって身長が縮んでいて、
寝転がると縦に重力がかからないから、縮んでいた身長がゆるまって少し伸びる。

そんなことを聞いたことがある気がするけれど、あっても数ミリの差だろうし。

毎回そんなことを考えては、隣で眠る大きな息子の姿に驚かされている。

そして、5年くらい先の未来の息子が隣に寝ているような感覚になり、
5年なんてあっという間なのだろうなと、しみじみと考えたりもする。

朝に限らず、息子はぼくにプンスカ怒ることが本当に多く、日々困ることが多々ある。
ときには、どうしたらいいのか分からず心が折れそうになることもある。

それでも、元気にそばにいてくれることが何よりも嬉しい。

きっと5年後には息子も学校や友達と遊ぶのに忙しくなるのだろうな、とか。
きっと、親と遊ぶことが嫌になったりもするだろうから。

息子が親を求めてくれるうちは、思う存分遊んでおこうと思う。



おもしろいことを思いっきり楽しんで。

嬉しいことも嫌なこともはっきりと口にして。

ご飯やおやつを美味しそうに食べて。

思い通りにいかないことに大泣きして。

そんないつも全力フル回転な息子が、隣で静かに寝息を立てて眠っている。

眠る息子の頭を撫で、隣で目を閉じる。

普段、よくしゃべり、活発な息子とのギャップからかもしれない。
ぼくは一人で過ごす時間よりも、この時間に静けさを感じる。

心が穏やかになる。

そして、また明日やってくるであろう賑やかさを思い浮かべ、
こんな日がずっと続けばいいのになと思う。


先日、息子と一緒に、息子にとってはじめての夜桜を見に出かけました。

ライトアップされた桜はまたなんとも魅力的ですよね。

今年こそは夜桜を一緒に見たいなと思ったので、本当に嬉しかったです。

「ピンクでかわいくて、めっちゃきれいやな」と感想を伝えてくれました。

じっと桜を見る息子の眼差しが印象的でした。

ずっと前に書いていたこの記事をなかなか投稿できずにいたら、桜の話題が古くなっちゃいました。
桜の時期って本当にあっという間ですね。

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