はじめに
ブログをご覧いただきありがとうございます。
先日、JERRYBEANSの講演ライブ後に質疑応答の時間があって、そこでこんな質問をいただきました。
「不登校の子、また親御さんに、どんな言葉をかけたらいいのでしょうか」
質疑応答では、短い言葉でかえさないといけないということもあり、もっとちゃんと答えたかったなと思いました。
また、こうした活動をしていると、そういった質問をいただくことがたくさんあります。
この記事では、そのことについて、不登校を経験したぼくがいま感じていること、また実際に自分がしてもらって嬉しかったことを書いていこうと想います。
You Tubeでもお話ししている内容なので、動画や音声が受け取りやすい方はぜひそちらをご覧ください。
ぼくが子どもの頃からすると、世間的に不登校に対する理解はすすんでいますが、当事者の悩みの大きさは30年前のあの頃のと比べて何も変わらないなって思います。
近年、不登校の子は小中だけでも29万人と言われていて、年々と増えている状況です。
そのまわりでどう接したらいいんだろうと悩む人も、伴って増えているはずです。
不登校で悩む人のまわりで悩むあなたが、その方たちと接するうえで、この記事が何か少しでも参考になればと思います。
不登校に悩む子や親御さんに、どんな言葉をかけたらいいんだろう
「不登校の子や親御さんにどんな言葉をかけたらいいんだろう」
身近な人が不登校に悩んんでいて、何か力になりたいと思われる方は多いんじゃないかと思います。
当然、不登校と一言で言い表しても、その状況は様々です。
ぼくも、不登校を経験したからと言って、不登校に悩むすべての人の気持ちが分かるなんてことはありません。
なので「こんな言葉をかけるとみんな嬉しいと思うよ!」っていう話はできません。
というか、誰にでもあてはまる万能な言葉って存在しないんじゃないかと思っています。
例えば「休んでいいよ」っていう一見、悩むみんなにとって楽になりそうな優しい言葉であっても、学校に行っていない理由が「いじめ」だった場合はどうでしょう。
学校に行きたいのに、いじめた方が行って、なんで自分(うちの子)が休まないといけないんだ。と、傷つけてしまうかもしれません。
カウンセラーでもない限り、事情をすべて知ることもできないと思います。
言葉をかけたい相手の状況に思いを馳せて、想像して、接すること。
あなたらしい思いやりを持ってかける言葉に、間違いなんてものはない。
そうぼくは信じています。
それが結論になるのですが、せっかくなのでここからは不登校を経験したぼくが、当時実際に言われて嬉しかっことを紹介します。
ぼくが嬉しかった言葉
ぼくが不登校だった頃、言ってもらって気持ちが楽になった言葉がありました。
当時ぼくには、勉強を教えてくれたり、釣りに連れて行ってくれたり、たくさん楽しい時間を過ごしてくれた人がいました。
その人があるときふとこんな言葉をかけてくれました。
「いま悩んでいるこの時間は、長い人生からするとほんの一瞬だよ」と。
自分よりも何年も多く生きている大人が、言ってくれる言葉には重みがあり、すごく安心したことを覚えています。
いまでも心に残っていて、JERRYBEANSの曲の歌詞にもしています。
また、これは一度ブログに書きましたが、
親がカウンセリングに行って嬉しそうに帰ってきた日があって、先生から聞いてきた話を聞かせてくれたことがありました。
「不登校の子って感受性が豊かなんやって!」
親は嬉しそうにぼくに教えてくれました。
それはただ聞いてきた話を教えてくれたというよりも、親自身もそのことに共感しているようで。
それを聞いたとき、ぼくは不登校していることを褒められたような、ちょっと不思議な気持ちになり、嬉しかったことを覚えています。
言葉を持たなくても
その他にも、言葉というものに限らず、何も言葉を持たずに接してくれた人たちにも救われました。
ピアノの先生が一緒に音楽を楽しんでくれたり、お家で遊ばせてくれたこと。
カウンセリングの先生がドライブや釣りに連れて行ってくれたこと。
近所のおじさんがジョギングに誘ってくれたこと。
人と関わることに緊張することもあったけれど、すごく気晴らしになったことを覚えています。
子どもの頃はあまり気づかなかったけれど、みんなの優しさだったんだって思います。
それから、ぼくには姉と妹がいます。
二人とも、ぼくの不登校について何か意見をしてきたこともありません。
二つ上の姉なんかは中学もかぶるし思うことあったんじゃないかと思うのですが、普通に接してくれました。
同い年の同じ学校に通っているいとこも、何も言わず普通に接してくれました。
それにすごく救われました。
例えばあなたの友人が、子ども不が登校で悩んでおられたら、ランチに誘ってたわいもない時間を過ごしたり、お出かけしたり。
ただ一緒にいるだけで気晴らしになるだろうし、気持ちが楽になるんじゃないかと思います。
不登校に悩まれる親御さんって、自分が遊んでいる場合じゃないとか、まわりから遊んでいる場合じゃないでしょみたいな目で見られることを気にされている方もいます。
おしゃれをすることも許されるのか‥と気にされている親御さんもおられました。
親の気持ちが楽になって、お家が少し明るくなるだけでも、子どものためになるはずです。
なので、遊びに誘って、ただただ一緒に過ごすということも、すごくいいんじゃないかと思います。
本人の口から何か不登校の話題があったときは、いっぱい話を聞いてあげてください。
傷ついた言葉もあったけれど
また、当時言われて傷ついたこともあります。
ぼくの父方のおばあちゃんは、若いときとっても気の強いおばあちゃんでした。
「でした」というとややこしいのですが、あの気の強さはどこにいったんだろう!と、びっくりするくらい、いまは本当に穏やかで優しいおばあちゃんです。
そのおばあちゃんが、ぼくが不登校だったときにこう言ってきたことがありました。
「ノリちゃん、学校に行きなさい。お母さんが、近所の人からどう思われているかちゃんと考えなさい」と。
それを聞いたとき、悲しくて泣いてしまいました。
さすがに、おばあちゃんの言葉は極端ですし、絶対にそんな言葉はかけてほしくはないのですが。
でも、今となってはおばあちゃんもすごい心配してくれていたんだと胸にあたたかいものを感じる思い出となっています。
これは両親から聞いた話ですが「あの時ノリちゃんに酷いことを言ってしまった」と、何年も前のことなのに、おばあちゃんが泣いていたこともあったそうです。
それも含めて、ぼくは自分の経験からこう思うんです。
言葉をかけたい相手の状況に思いを馳せて、想像して、
あなたらしい思いやりを持ってかける言葉に間違いなんてない。
さいごに
最初にもお伝えしたように、不登校一つとってもみんな状況は違います。
今回お話しした内容はあくまでもぼくの場合。
それでも、ぼくの経験や思いが、今不登校に悩む子や親御さんのまわりにおられる皆さんの、何か少しでも参考になれば嬉しいなと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ぼくたちJERRYBEANSはメンバー全員が不登校を経験した3人組のバンドです。
YouTubeを通じて、音楽と話でメッセージを伝えていますので、もしよかったらチェックしてください。
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