前に一度「なんだか人懐っこいな!」と思う蝶々に出会ったことがある。
息子を抱っこしながら、近所を歩いているときだった。
「黄色い蝶々だ!」
蝶々を見つけてぼくがそう言うと、
めずらしく息子が自ら抱っこから降りて近づいていった。
手を伸ばして触ろうとするのだけれど、とうぜん羽ばたいて逃げていく。
でも、あっちに飛んでいったかと思えばまたもどってくる。
それを2〜3回くり返すもんだから、思わず「えらい人懐っこい蝶々だなぁ」とツッコンだ。
もう一つぼくの中で印象的だったのが、羽の柄がヒョウみたいだったことだ。
それからこの間、公園に行ったときにまた同じヒョウ柄の蝶々を見つけた。
一度近づいてきたかと思うと、すぐにまた高く飛んでいってしまった。
「あ!でもあれは、人懐っこい蝶々だからもどってくるぞ」となんの根拠もない、
いい加減なことを言いながら息子と一緒に「おーい!」と手を振ってみた。
すると、なんともどってきて、ぼくの手に触れるくらいまでの距離に近づいてきた。
そのあと、息子が狙いをさだめて一振り。
パサッ!
お見事!!
蝶々がもどってきただけでもびっくりしていたのに。
息子の虫取りのレベルがアップしていることにまたびっくりした。
息子がアミで蝶々を捕まえるのは二度目だ。
一度目は、ぼくがカゴに移すときに逃がしてしまった。
虫が平気なら、ガシッと捕まえてカゴに入れられるのだけれど。
残念なことに、ぼくは虫が平気ではない。
それからぼくには、虫取り名人で虫に詳しい甥と姪がいる。
息子にとっては従兄弟の二人。
前に二人が、蝶々は羽を摘むと弱ってしまうから羽には触れてはいけないことを教えてくれた。
そんな繊細な虫を、繊細な人間が、アミからカゴにうつす。
二度あることは三度あるそうなので、なんとか二度目のここできめておきたい。
今回はミスれないぞ‥。
手に触れないよう(色んな意味で)に、慎重に慎重にカゴにいれる。
よし、無事成功!
ただおもしろいことに、苦手だったはずの虫が、
息子と過ごしていることで最近少し得意になりつつある。
得意とは言い過ぎたけれど、、大丈夫くらいにはなった。
「苦手」とか「得意」とか「大丈夫」とか、虫に失礼だけど。
息子と過ごす中で、自分が変わった部分の一つだ。
公園に行くと、木をじっと見て「いま鳴いているセミはどこにいるのかな?」と、息子と探すようになった。
この公園には、普段見かけない虫がたくさんいた。
「こんな虫、はじめてみるなー」と言って楽しんだ。
これまで自分が見る必要もなく、むしろどちらかと言うと避けてきた虫。
普段見かけないのではなくて、見ようとしてこなかっただけなのかもしれない。
息子との関わりを通じて、これまでにない新鮮な経験をさせてもらっている。
すべり台(ましてやローラーのタイプなんて)は、何年ぶりに滑ったか分からない。
水着を買ったのだって、20年ぶりくらいだ。
あれ、でもよく考えてみると。
〝これまでにない〟と思うほどに新鮮に感じている、虫取りやすべり台、水遊びなど。
これって、どれも自分が子ども時代に、夢中になって体験してきたことだ。
この公園は、ぼくが小さい頃によく遊んでいた地元の公園だ。
息子がもっと小さい頃にきたことはあるけれど、息子からするとはじめての公園だったらしく。
ぼくが懐かしがっていると、息子が「パパなんで、このこうえんしってるの?」と聞いてきた。
「パパが小さいときにいっぱい遊んでた公園やねん」
「へー」
色々な思い出が詰まったこの公園で、息子とこうして過ごせる。
こんな会話ができることもまた、なんだかおもしろくて幸せなことだ。
息子と一緒にこの公園で過ごしていると、色々な場面で新鮮であり懐かしい気持ちになった。
蝶々は、捕まえたのが帰り際だったこともあってすぐにサヨナラをした。
息子がカゴを開けて、蝶々が飛び立つのを待つ。
だけど、全然出てこない。
ゆらゆらとカゴを動かしてやっと出てきたかと思えば、
そこからなかなか飛ばなくて、息子は耐えきれずにしゃがみ出す。
触るのは怖いようでつついたりはせずじっと待つ。
そして、やっと羽ばたいて飛んでいく蝶々。
「あ、とんだ」
心の声が漏れたような声量で息子が言った。
ぼくにとって、大切なこの夏の思い出の一つだ。
ヒョウ柄の蝶々、もしかしたら本当に人懐っこいかもしれません!!笑
名前が気になって調べてみました。
「ツマグロヒョウモン」だそうです。
ググってみると幼虫の写真もでてきたのですが、、
黒と赤のトゲトゲの毛虫みたいなやつでした!
ある時期によく現れる、見かけるとドキッとするアイツかー!!
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