冬瓜

「いちじく にんじん さんしょに しいたけ ごぼう」

ここまでしか歌えなかったかぞえうたを、最近10まで歌えるようになった。

息子ではなく、ぼくがだ。

うちには音のなる絵本がある。
いくつか曲が収録されていてるのだけれど、それのおかげだ。

ぼくの人生の中で、かぞえうたを耳にすることはあったと思う。
ごぼうまで歌えるのだから当然。

けれど、それ以降の歌詞が思い出せなくて歌えなかったのは、むくろじゅのせいだと思う。

むくろじゅがまったくピンとこなくて、そのむくろじゅを知ろうともせず、ぼくはむくろじゅのことを避け続けてきたのだろう。

そしてむくろじゅをググりもせず、いまもよく分からないままだ。


そんなことはさておき、かぞえうたの続きなのだけれど。

「ごぼうに むくろじゅ ななくさ はつたけ きゅうりに しょうが」

息子がかぞえうたを歌うと、最後が生姜になる。




「生姜じゃなくて、冬瓜やで」

ぼくがそう伝えると「とうがんってなに?」と返ってきた。

たしかに、我が家の食卓に並んだことのない野菜だ。

ぼくは、冬瓜を小さい頃から食べてきた。
煮物だったり、おみそ汁に入っていたり。
そういえばけっこう好きだったなぁと思った。

子どもが冬瓜に興味を持つ機会などあんまりない。
なんかすごくいいきっかけだなと思い「今度スーパー行ったら冬瓜買おうか!」と、そんな話しになった。

「でも、冬瓜って〝冬の瓜〟って書くから、夏は売ってないか!冬のお楽しみやね」


数日前のそんな会話を思い出したのは、スーパーの野菜コーナーだった。

夏なのにも関わらず、目の前に冬瓜があったからだ。

4分の1にカットされた冬瓜が158円で売っていた。

4分の1といってもかなり大きい。

ふだん野菜を選ぶとき、値段が同じなら一番大きいものを選ぶのだけれど。
冬瓜の大きさに圧倒されたぼくたちは、食べきれるかなという心配があり、一番小さいものを選んだ。




うちに帰って、さっそく冬瓜の煮物をつくることに。

あれ、冬瓜の煮物ってどんなだっけ。
冬瓜だけだとなんかちょっと味気ないな。
と思ったとき、実家で食べていた冬瓜料理を思い出した。

ひき肉と一緒に煮込んで、とろっとあんかけぽい感じの料理だった!気がする。

なんとなく、それっぽくつくってみることにした。

そしてこれがまたけっこうおいしくできた。

冬瓜の煮物



とにかく食べることが好きな息子。

気にいってくれるかな、どうだろう。
そんな父の思いもあっけなく、
冬瓜を一口も食べずにごちそうさまをして、いってしまった。笑

「きゅうりにとうがん♫の冬瓜やで!」
と、説得したら戻ってきておそるおそる一口食べてくれた。
おいしかったようで、二口目も食べてくれた。

最終的にたいらげるわけではなく、やっぱり残すというなんとも微妙な冬瓜デビューだった。



「生姜じゃなくて冬瓜やで」

あのとき、そう伝えてからしばらくの間も「きゅうりにしょうが♫」と歌っていた息子。

はじめて「きゅうりにとうがん♫」と歌ったとき「おぉ!」と妻と顔を見合わせた。


冬瓜を実際に食べたことと、歌えるようになったことはきっと関係ないと思うし、
なんだか本当に地味な話なのだけれど。


こんな生活の楽しみ方を大切にしていたいなと、ちょっと思っている。





冬瓜って旬は、むしろ夏なのですね!
保存法によっては冬まで持つことから冬瓜とよぶようになったそう。

知らなかった!

とうがん(冬瓜)|とれたて大百科|食や農を学ぶ|JAグループ
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